サンケイ新聞にC's(シーズ)が登場

サンケイ新聞 (2008.6.15)

一般客を装って調査対象の焼き鳥店に入る岩田さん
一般客を装って調査対象の焼き
鳥店に入る岩田さん(左)
=大阪市内

大阪調査隊・ミステリーショッパー

「ミステリーショッパー」という仕事がある。この聞き慣れない言葉を日本語にすると「覆面調査員」。一般の客のふりをして買い物をしたり、食事をしたりして、スタッフの仕事ぶりをひそかに調査する。今回は記者も調査員として“潜入”。いったいどんな調査が行われているの? (中井美樹記者)

 

今回の調査対象は、大阪市内の焼き鳥店。午後6時半に、最寄り駅で覆面調査員の岩田知子さん(38)と待ち合わせした。

 

出会うまでは調査員というと、眼光鋭い男性をイメージしていたが、どうやらそうではないみたい。岩田さんの本業は、フラワーデザインの仕事だ。

 

店に入る前に、事前に調査項目を最終確認。「おすすめメニューの案内はあったか」「取り皿を用意してくれたか」など、チェック項目は60近くもある。もちろん、店内で調査シートを広げたりなんてできないので、しっかりと頭の中にたたき込む。

 

「いらっしゃいませ」の声に迎えられ店に。“新米”調査員の記者は、きょろきょろしてしまうが、これまで10回以上調査している岩田さんは、落ち着いた様子でオーダー。

 

どれにしようかな」と迷ったり「おすすめはありますか?」と聞いてみたり。スタッフを焦らして反応を見ているのだ。

 

調査では、「オーダーはきちんと復唱していたか」「灰皿交換はタイミングよく行われていたか」など細かなチェック項目がある。また、全体の印象も評価。「誰かに紹介したいと思ったか」「また来たいと思ったか」などを5段階で採点する。

 

また、最後に調査員が記入する「感想」にはあら探しではなく、どちらかと言うと褒めるポイントを見つけることも求められている。「今、注文を取ってくれたスタッフは、目を合わせてしっかり聞いていた。いい感じですね」と岩田さん。

 

スタッフの名前をそっと確認。メモ帳やペンを使うと不自然なので、携帯電話と活用し、メールを打つふりをしながらスタッフの名前を記録している。

 


 

調査員を派遣しているのは、大阪市西区北堀江の「シーズ」。覆面調査は、欧米には専門の会社があり、日本でも10年ほど前から、同様のサービスを展開する企業が登場。東京が中心だったが、平成18年から同社が大阪で本格的に調査会社を始めた。

 

同社の西村貴好社長(40)は、ホテル経営からの転身。「これまで多くの経営者と出会いましたが、語る言葉は立派だが、現場はそれと違ったりする。その差を埋めるお手伝いができれば」と話す。

 

同社に持ち込まれる覆面調査の依頼は、飲食業を中心に、薬局やカラオケ、エステ、病院など多岐にわたる。大手証券会社の調査では、団塊世代の男性が窓口で株を購入するという依頼もあった。月に13社の調査を定期的に行っている。

 

まず依頼があれば、どういった目的で調査するのかヒアリングして内容を決める。料金は1店舗に5グループが調査に入って6万円。半年かけて複数回調査したり、1報告につき7000円といった手軽なタイプもある。

 

登録している調査員は約600人で、企業から依頼があればメールで各調査員に、内容や「30代男性で2名で」「ファミリーで」など条件を案内。選考の上、依頼する。

 

調査員の報酬は、1レポートに付き1500円〜2000円。岩田さんは「無料で飲んだり食べたりできる上に、プラスアルファがあるので、楽しくて“おいしい”仕事ですよ」。

 

調査員はあくまで消費者としてサービスを受け、感想を報告することが仕事。一般消費者の目線を持ち、それに加え、批判だけでなく、改善の提案ができるかどうか重要になってくる。 

 


 

西村社長によると、調査を依頼してくる経営者には、2タイプあり、1つは「人は信じられない」、もう1つは「コミュニケーションのためのパイプがほしい」というタイプ。前者は「あら探し」を求めるが、後者は「ほめるポイント」を求める傾向があるという。

 

西村さんは「うちとしては、後者の経営者の人と一緒に仕事がしたい。これまでの経験上、あら探しを報告するだけでは、店の改善につながらない」と指摘する。

 

調査依頼に外食産業が多い背景には、スタッフの8割から9割がアルバイトという実情がある。比較的入れ替わりの激しい、アルバイトスタッフをいかに戦力化することが課題になる。

 

同社に調査を依頼した焼き鳥店「鳥貴族」のフランチャイズオーナーの片岡達治さんは「褒める報告を積極的にあげてほしい」と依頼し、覆面調査の結果から評価の高かったアルバイトを表彰し続けた。結果、社内のモチベーションが上がり、売り上げの数字もあがった。

 

この日、調査員の岩田さんは自宅に帰って、報告書を作成した。「調査に入った店は、その後どうなったか気になる。いい店になってほしいですよね」と話していた。

 

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覆面調査・モニター調査・ミステリーショッパーリサーチにかんする資料ご請求、お問い合わせは、有限会社シーズ・大阪市西区北堀江3-11-9 コーポ西村電話06-6948-8555までご連絡ください。

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